平成25年度春の行事
開催日 | 平成25年5月18日(土)~19日(日) |
会場 | 第一部(見学会):三井三池炭鉱関連史跡・柳川史跡 第二部(懇親会):料亭旅館御花 |
平成25年度 九州支部 春の行事ご報告
九州支部では去る5月18日に春の行事として九州近代化産業遺産群の一つである三井三池炭鉱に関連した産業史跡と柳川の歴史史跡の見学ツアーを実施いたしました。ご家族も含め総勢23名の方がご参加頂きました。以下概要をご報告申し上げます。
1. 三井三池炭鉱関連史跡めぐり
三井三池炭鉱はご存知のように1997年まで操業を続けた三井財閥のドル箱炭鉱でした。今回は、その三池炭鉱を田舎炭鉱から世界最大級の海底炭田に成長させた団琢磨氏の足跡を辿りました。
1) 三池港・旧三井港倶楽部
まず、団琢磨が三池炭鉱を発展させるために明治35年に建設した三池港とその迎賓館である旧三井港倶楽部を訪れました。旧三井港倶楽部は当時最高級の洋館造りの社交倶楽部で皇族方や政財界人の迎賓館としても広く利用されてきました。皆でフランス料理のランチを楽しみ石炭産業の華やかだった頃の優雅な社交界に思いを馳せました。その後、三池港を見学しました。三池港は遠浅の有明湾に面した三池炭鉱から大型船での直接輸出を実現させるため、パナマ運河で実用化されつつあった閘門による海面制御技術を取込んだ当時最新鋭の港です。開閉ピストン機能は当時のものが今もそのまま稼働しています。現在も閘門は満干潮に合わせ開閉され港内の水深を常に8.5m以上に確保することが可能で、大牟田コンビナートの重要な港として機能しております。100年以上前の設備が今もほぼそのままの姿で現代の産業を支えていることに深く感銘しました。
2) 三池炭鉱万田坑見学
午後は三池炭鉱の主力坑道であった万田坑を見学しました。日本中の炭鉱が廃鉱になり埋め戻されている中、万田坑第二竪坑には今も坑道入口設備や石炭や鉱夫を輸送した当時の巻上機、周辺設備がそのまま残されていました。地下へ炭鉱夫を運んだケイジや石炭トロッコなども目の当たりにすることが出来、まるでタイムトンネルに迷い込んだようでした。
3) 石炭産業科学館見学
石炭産業科学館では、石炭と人類の関わりから、炭鉱の歴史やしくみ、三池港の建設の経緯や構造まで 石炭と三池炭鉱に関連した幅広い知識を得ることが出来ました。1997年に三池炭鉱が閉山となった頃の最新鋭の設備も展示されておりその技術の高さを実感しました。海底炭田の掘削機の技術は、2000mの深海底で機能するよう改造され、日本近海で資源掘削機へ応用する試みも進んでいるそうです。
2.柳川見学・懇親会
三池炭鉱見学後は柳川へ移動し、柳川藩藩主立花氏別邸であった料亭旅館御花で懇親会を行いました。柳川藩藩主の立花宗茂は 関ヶ原の戦いの敗将で唯一旧領の領主に返り咲いた奇跡の大名です。その一門の残した豪邸と庭園や宝物を見学した後、会食ではムツゴロウをはじめ有明海の珍味をたっぷり楽しみました。宿泊メンバーは翌日、北原白秋の生家や水郷を見学して回りました。あいにくの雨模様でしたが、初夏の雨に薫り立つ柳川の水郷の水辺に白秋の詩心の原点を垣間見ることが出来ました。