会長就任挨拶(2024)

    2024年11月3日の京機会総会にて会長を拝命しました。京機会との関わりは会社入社の頃から10年程度に一度の当番幹事会社の仕事を繰り返してきただけですので、歴代の会長が立派に果たして来られたこの役目が果たせるのか心配な限りです。皆様のご指導とご支援があってこそ務まると考えておりますので、どうか宜しくお願い致します。

    さて、本会は明治30年に設立され、会員が1万名を数える一大同窓会です。その活動も、京大工学系同窓会連絡会という上部組織があり、同窓会活動に関する情報交換をしておりますが、京機会ほど本部、支部それぞれ工夫を凝らして活動をしている同窓会はありません。前々及び前会長の時代にはコロナ禍で活動ができずに色々ご苦労をされた時期もありましたが、これだけの伝統があり人材が集い得る組織ですから、是非、種々の活動を継続・発展させて行きたいと思っております。

    そのためには会員各層の方々から魅力を感じていただける活動であることがポイントです。各層といっても、現役の学生から、現役で活躍される企業の方、あるいは経営に携わる方、また、教育関係で活躍される方、さらにはそうした活動から離れてボランティアや悠々自適の方々まで、非常に幅広い人々が本会に属されています。京機会に属する条件は唯一、京都大学機械工学系に、学生として、或いは教員として籍を置かれたという点だけです。この条件を満たした方は多士済々。学術研究分野のみならず色々な業界の多方面でご活躍されています。こうした方々と京機会だということで人脈を築けるのが本会の最も良い点であり、重要な役割だと考えております。
    特に現役世代の方々こそ、この人脈を活用して、業務でもご自分の関心事でも、その知識の範囲を広げ、深度化を図る機会にしていただきたいものです。

    今回会長を引き受けるにあたり、本会が抱える課題等をご教示いただきました。第一には、①現役を退かれ時間的に余裕がある方は別にして現役の人や若手の参加が少ない点、②会費を納入いただける人数が減少傾向にある点です。会員数の減少及び参加層の限定が進むと活動が低迷します。皆様からの会費で本会が成り立っていることから種々の活動を縮小せざるを得ないことを意味します。会費を払っていただくだけの魅力度向上を検討すると共に活動方法にも目を向けて本課題に臨んでいく必要があります。
    もう一つは、個人情報管理の厳格化という時流に適合した名簿管理をどうするか、という課題です。ここ数年かけて名簿をCD-ROMからWEB化へという検討を行っていただきました。最終段階で個人情報保護という観点で確認した結果、WEB化に慎重にならざるを得ないことが判明しました。名簿管理は同窓会の重要な使命ですが、一方で情報流出の恐ろしさは色々報道されている通りで、京機会に安心して属していただくためには、情報管理の確実性確保は避けて通れません。何らかの形で継続的に名簿情報が更新されていく仕組みを探索していきたいと考えております。

    これらの課題に直ぐには対策案が見えませんが、本会をできるだけ多くの層の方々に「入っていてよかった」と思っていただける会になるよう、運営や活動方法を模索していきたいと考えております。
    京機会のイベントもコロナ禍を経験し、リモートワークという場所を選ばず会合に参加できる手法を経験しました。最近は対面とリモートが併設されることが多くなり、容易に参加できる便利さを感じると共に、改めてFace to Faceでないと得られない情報密度の濃さや人との繋がりの楽しさを感じていらっしゃると思います。リモート併用という手法も活用して、団塊の世代、新人類、団塊ジュニア世代、ミレニアム世代、Z世代と幅広い世代の方々が楽しく情報交換や交流を図っていただけるように努力をしていきたいと思います。

    こうした活動を通して、世代間や世代を超えた人の繋がりを拡げて、京機会活動を盛り上げていきましょう。
    皆さま方の、更なるご支援とご協力を、是非よろしくお願いいたします。

    仲田 摩智(S54 /1979)