第39回 京機サロン

  • 開催日:2010年07月14日
  • 開催時間:18:15~ 19:15
  • 開催地:大阪府
  • 詳細

    場所 大阪弥生会館 (大阪駅より徒歩2分)
    〒530-0012 大阪市北区芝田2丁目4-53
    TEL : 06-6373-1841 FAX : 06-6371-0585
    講演題目 「芸術のための科学技術」

    (講演骨子)
    文化財の現状をデジタルデータとして正確に保存することを可能にするイメージング技術が注目を浴びている。デジタル化の要素技術は過去5年間で相当進歩しており、市販の映像入力機器の高精細化、メモリの大容量化、画像認識プログラムの充実化の発展は目覚ましいものがある。とはいえ、安全性の確保が最重要視される国宝級文化財のデジタル化においては、実用に耐えられるものが極めて少ないのが現状である。
    本講演では、これまで京都大学工学研究科が独立行政法人科学技術振興機構の支援事業において開発した二次元文化財に特化したイメージング技術について紹介し、国宝級文化財のデジタル化に関する普及レベルの実用技術である画像入力および表示システムについて、カバレッジ(大量で広範かつ多種多様な文化財を対象とする)重視の観点から考察したい。また、デジタル・ミュージアム実現のための「国際デジタルミュージアム技術基盤構築」をテーマとした研究活動について紹介し、先端イメージング技術が文化財の保存と活用に、いかに寄与できるか、その課題と今後についても考察したい。

    講師 井手亜里氏(京都大学大学院工学研究科 教授)

    (講師プロファイル)
    1977年、京都大学工学部電子工学科卒業。1979年京都大学工学研究科修士課程終了、1983年同大学博士課程修了。1991年、京都大学工学部精密工学助教授を経て、2001年より京都大学工学研究科教授。現在、可視光領域文化財分析ソフトウェア開発、超精密微細領域イメージング技術、複合材料加工・評価、超精密装置開発(生産装置、計測装置)等に従事。工学(博士)。