九州支部:2025年度「出前授業」のご報告

    2025年度九州支部「出前授業」のご報告
    ~ 高校生へ、ものづくりの楽しさをお伝えする ~

    九州支部では、活動の柱の一つである「ものづくりの魅力を若者へお伝えする」の見地で、2025年度は高校2校、2026年は1月に高専2校で「出前授業」を実施いたしました。

    1:福岡県立「修猷館高校」編(2025年111日)

    概要
    高校の行事として『総合的な探求の時間「出前授業」』を開催(例年、文化の日前後の休日)。大学の先生、漫画家さん、市役所の方など多彩な方をボランティア講師として約50講座を開講します。(前半と後半に分けて各90分、各25講座実施・・参加対象は、1,2年生))この講座で2018年から講義をしています。
    事前に、各講師の方が、講義内容をアピールする文を送り、生徒さんは、その内容を見て、参加する講義を決めます。講師は、毎年ドキドキしながら、生徒さんの参加を待ちます。私(中村久志(1981))は、講義タイトルを少し大げさに『“ウォシュレット”の開発を通して見る、商品開発の現場~立ちはだかる壁、多くの失敗を乗り越えて~』として、少しでも生徒さんたちの目に留まればよいなぁ~、と祈って待ちます。

    講義内容
    おかげさまで、今年も30人近くの生徒さんが参加してくださいました!実機を見てもらうことが、生徒さんたちの好奇心を最大化する大きな武器です。ノズルを動かしたり、カバーを開けて内部構成を見てもらったり・・皆さんは目を輝かせてくれます。授業の骨子は変りませんが、特に、・新商品を作り上げるときは生みの苦しみが続くこと。苦しみながらも“仲間”とともに作り上げた時の喜び、“お客様の笑顔”に出会った時の喜び・・これこそが商品開発の醍醐味!!といったことを強調しました。

    生徒さんのレポート、プラス&の出来事
    今年も、生徒さんたちから素晴らしいレポートをいただきました。これを拝見する喜びがあるので、毎年はまってしまいます!また、今年の担当先生が、高校時代の部活の先輩だったり、同級生のご子息が聴講されていたりと、地元ならではのサプライズもありました。

    2:福岡県立「東筑高校」編(2025年1215日)

    概要・・コロナ期を除き2019年から実施
    今年は初めて、平日で午後休講の日に実施しました。約30名の参加で、京機会九州支部単独での開催です。生徒さんの募集・告知チラシの作成から準備しました。
    今回は、現役京大生の永田さん(M1)もリモート参加!
    ・大学紹介・・黒瀬良一先生
    ・大学生活紹介・・永田さん
    現役の先生と学生さんの話の内容の濃さや資料に、生徒さんたちも最初は圧倒されているようでした。強烈に、勉強・研究・生活の厳しさや楽しさや、京大の特性などが、十分に伝わったのではないかと思います。話が盛り上がると、生徒さんたちもしっかりと、疑問点などの質問もされていました。

    出前授業
    大学の話の後に、それがどのように実社会に役立っていくのか、今勉強していることがどうつながっているのかも交えて授業を進めました。ここでも、実機によるデモは効果大です。全員で忌憚のない意見交換ができたと思います。また、TOTO関係の新人3名も聴講していました。新社会人として、大学や高校のころの心境など、リアルに語っていただき、生徒さんたちにも、心に響いていました。
    ※後日、生徒さんたちから、レポートもいただきました。

    3:国立「北九州工業専門学校」編(2026年113日)

    プラスチック循環社会の実現を目指して~PET樹脂の事例に学ぶ~  地球環境とプラスチック文明の共存の道』        講師:千々木亨氏(1979)

    昨年(2024年6月)久留米高専での講義を「リモート参加」の形で実施した経緯から、今年は対面での「出前授業」が実現できました。参加者は、1年生全員約200名・・化学系の時間を使わせていただき、「ペットボトル」の問題をフックに、グローバルな環境問題についての講義を行いました。講師は、京機会前会長の千々木さんです。いうまでもなく、環境問題についての造詣も深く、かつ産業活動の最先端からの視点で、理想と現実のギャップや矛盾点までも、鋭くかつ解り易くお話をされ、200名という多くの学生さんも、熱心に取り組んでいました。また、高専の先生からも「自身の理解が深まった」「誤解している点もあった」といった、率直な感想をいただきました。高校の授業とは違い、高専の学生さんは、ある程度、自分自身の進路を定めておられるので、技術の深堀の話が、学生さんたちの心をつかんでいるように、感じました。ありがたいことに、講義後の先生との話の中で「来年度も是非お願いします!」との嬉しいオファーもいただきました。
    ※現在、参加者ほぼ全員の、200通近いレポートをいただき、質問も中にはあり、きっちりお返ししたいと読み込んでいます。興味を惹かれる個性的な内容も満載で、『出前授業』の醍醐味の一つです。

    4:国立「久留米工業専門学校」編(2026年130日)

    『日本のロボット発展とともに歩んだ研究開発の日々』
    講師:村上弘記氏(1985)

    久留米高専での授業は、元九州支部長藤川卓爾さん(1967)のコロナ期2022年(リモート授業)から実施。2023年は対面で藤川さん、2024年にDMG森精機株式会社、廣野陽子さん(2007)の「MXで製造業に革命を起こす」、と継続してきました。
    今年は、講師に関東支部長でもあるIHI(株)村上さん(1985)・・元ロボット学会会長にお越しいただき、主に専攻科の学生さんに向けた授業をしていただきました。専攻科は、高専5年を終了後、専門課程に進んだ学生さんたちです。約30名の参加。年齢的にも、大学の学部生と同じで、個々人の醸し出すスタイルも、グッと大人になった雰囲気です。
    講義内容は「学生時代にロボット工学を選んだことから、今に至るまでロボット工学を活用する仕事に取り組んできた、様々な開発」ということで、自身の経験に基づく「他では聞けない話」や、グローバルな視点での、ロボットの発達史で、ロボットの起源や現在の状況、未来への展望など「一大スペクタクル」を観るような感覚となりました!(村上氏の若き時代の、活躍されている動画は必見です!!)
    専攻科の学生さんは、機械・電気・化学など様々ですが、直接の専門ではない方にも深く響いたようで、講義後も駆け寄って、質問などもされていました。
    ※学生さんたちのレポートもさっそく送っていただき、読み込んでいます。「普段聞けない話」に大きな興味を持っていただけたようで、私共にとっても大いに参考になります。
    ※担当の先生とも、講義前に懇談させていただき、現在の技術動向や高専を取り巻く社会環境などの話題で、大いに盛り上がりました。「出前授業」についても、年間カリキュラムに取り込むことの難しさなどがあるものの、その価値をお認めいただいており、次年度の継続も前向きに、今後、相談させていただく事となりました。

    ◆以上が、九州支部の「出前授業」高校2校・高専2校の実施状況の報告となります。
    2025年初頭から計画した行事が、何とか終了することができました。関係者の皆様、ご協力、本当にありがとうございました! 2026年度も、今回の4校の継続と、ご縁があれば、他の学校も出来ないか模索していこうと思っています。

    今後も、九州支部は、「九州・アジアの魅力発見!」「出前授業で社会貢献!」をモットーに活動してまいります!!