第40回 京機サロン 世界遺産・文楽鑑賞会

  • 開催日:2010年12月11日
  • 開催時間:17:00~ 18:00
  • 開催地:大阪府
  • 詳細

    場所 国立文楽劇場
    Tel 06-6212-2531 大阪市中央区日本橋1-12-10
    地下鉄堺筋線日本橋駅7番出口徒歩1分。千日前通りに南面しています。
    演 目 「菅原伝授手習鑑(寺入りの段・寺子屋の段)」 「日本振袖始(大蛇退治の段)」

    歌舞伎や浄瑠璃の三大名作といわれる「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」の寺子屋の跡と伝わる場所が京都市右京区京北の芹生(せりょう)にあります。市内からは、貴船の北標高700mの芹生峠を越えて漸くたどり着く秘境です。物語は実は江戸中期の創作で、菅秀才や源蔵らは実在しないといわれますが、芹生には「寺子屋の跡」と伝わる場所があり、そこには1943年(昭和18年)建立といわれる天満宮まであります。芹生にあった分校の教員が尽力し、松竹創業者・白井松次郎や初代中村吉右衛門の協力も得て建てられたといいますから、今でいう村おこしでしょう。それらの人々の努力も空しく、現在の芹生は8軒の民家が残るだけになっているそうですから、近い内に廃村になってしまうのかもしれません。しかし武部源蔵の「すまじきことは宮仕え」という名セリフと、肉親をも失うことになる松王丸の忠義、そうした尋常でない土壌に対する賛美と批判が複雑に交錯する、この名作の舞台としての記憶は残ることでしょう。