LNG船の建造について | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成6年修士卒、大阪ガス(株)技術部・原料部 幡中 宣夫
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超低温可燃性ガス(-160℃)であるLNGをオマーンから日本に年間66万トン( 25年間)輸送するLNG船(船名 LNG JAMAL:全タンク容量135000m3)を三菱重工にて建造した。
このような船の建造には以下のことが要求される
一般にLNG船には、球状のタンクを船上に持つモス型、矩形状のタンクを持つSPB型、船体自体をタンクとする(→船体で液荷重を支える)メンブレン型がある。LNG JAMALは球状タンクを5個持つモス型であり、設計には以下を考慮した。
なお、このLNG JAMALには、以下の先進的な技術を取り入れた。
これを値段の安いOilを燃料としたディーゼルエンジンや蒸気タービンによって運行すれば、輸送費を低減できる。LNG JAMALでは、信頼性を確保するために、通常はOilで 運行し、緊急の際にはBOGで運行も可能な蒸気タービンで推進するシステムを持つ。これにより燃料に使用されていた気化ガスを、最液化装置で液化し、ガス化率(BOR)を0.14%/dayにできた。 (→このBOGを燃焼処理するためにディーゼルエンジンより効率で劣る蒸気タービンが採用されている。JAMALでは、基本的にBOGは全て再液化装置で液化処理するが、世界初で実績がないため、蒸気タービンを推進機関としBOG処理の冗長性を確保している。JAMALで再液化装置の信頼性が証明されれば、将来、高効率のディーゼルエンジン等をLNG船の推進機関とすることができる。) |